前回に引き続き、セルフレピュテーションマネジメントについて、あなたの行動変容がもたらす変化について、もう少し詳しくお伝えします。
あなたが、年齢や立場、職業にかかわらず、誰に対しても多様性を理解し、敬意を持ち、感情的にも安定した態度で接し続けることでどんな変化が起こるでしょうか。
まず、あなたの発言への信頼度が増し、いまの仕事がうまく回り出します。その後「このプロジェクトは、あなたに任そう」と周囲の意見が一致し、機会を掴む確率が上がります。
2年後、人財エージェンシーから社外ポジションのオファーが舞い込み始めるかもしれません。オファーのあったポジションの雇い主からの依頼で実施される「リファレンスチェック」(社外人財の採用時に行われる第三者による人物評価)で、期待通りの評価が得られます。
職場内において、信頼できる人財としての評価が高まるだけでなく、職場外にあってもあなたの評判は安定して高まり、気が付かないうちにあなたのブランドが形成されているでしょう。
企業や組織におけるレピュテーションマネジメントは、当初は自社あるいは社員の不祥事などに対する危機管理の必要性から生まれたものですが、近年はむしろ積極的に自社の良い評判を創り、どうやって維持していくかに焦点が当てられています。NPS(Net Promoter Score)など、自社もしくは自社が提供する製品・サービスに対する顧客評価を事業成否のベンチマークとする手法も一般化されて10年以上経っています。
自分自身に対するレピュテーションマネジメントは、「評判を創り出す、あるいは管理する」というより、「自分を深く知り、自信を持って自分の考えを言動として表現していくこと」が第一歩だと考えています。
そのためには「自己一致」が形成されること。つまり「理想の自己」と「現実の自己」との重なりが多いこと、あるいは自身の「あるべき姿」が「あるがままに自然体として発揮されている」ことです。さらに、環境の変化や困難な状況下にあっても、心の平静さを保つこと。接する全ての人たちの多様性を受け入れ、敬意を持って接することです。
これらはオーセンティック・リーダシップにも繋がりますね。これについても、今後私の考えを述べていきたいと思います。
セルフ・レピュテーションマネジメントについて、ここまで読んでいただき、ありがとうございました。